化膿性関節炎、骨髄炎
骨や関節が化膿菌により炎症を起こすことがあり、早くに気がつけば完全に治ります。発見が遅れますと、後遺症が残る可能性が高くなります。赤ちゃんに多い病気ですが、どの年齢のお子さんにも起こります。熱が出て機嫌が悪く、食欲も落ちて手足を痛がって動かせない、痛いところは赤く腫れ、熱をもっているといったときには、骨または関節の炎症を疑ってください。赤ちゃんでは、おむつを換えたり衣服を着せかえるときにひどく泣くといったときには、注意してください。骨髄炎は大腿骨[だいたいこつ]、下腿骨、上腕骨、前腕骨などに多く、関節炎は股関節[こかんせつ]、膝関節[しつかんせつ]に多くみられます。
リンパ浮腫
リンパ浮腫は一次性もありますが、乳がん、子宮がん、卵巣がんや前立腺がんなどの術後後遺症がほとんどです。乳がんでは同側の腕、婦人科がんや前立腺がんではおもに片方の脚がむくみます。痛みや色の変化などはほとんどなく、軽い違和感とともになんとなくむくんできます。術後5~25%の方に起こるとされていますが、残念ながら医師の間でもあまり知られていないので、見落とされることも多いようです。診断は主に経過と診察所見から行います。
収縮性心膜炎
心膜炎の後遺症として、心膜の肥厚や石灰沈着、あるいは癒着が起こったりすると、心膜がかたくなり心臓は殻に包まれたようになって十分に拡張することができなくなります。この状態を収縮性心膜炎といいます。かつては結核によるものが多くを占めましたが、最近では特発性やウイルス性のものが増えてきています。心臓が広がることができないため、心臓に流れ込めない血液が静脈にたまります。このため息を吸ったときに頸静脈が怒張したり、下肢がむくんだりします。腹水がたまり、消化管がむくむと、腹部が張った感じや食欲不振などの症状が現れます。
後遺症とは、後遺症と急性期症状(事故直後から一定期間の強い症状)が治ゆした後も、なお残ってしまった機能障害や神経症状などの症状や障害のことを言います。
後遺障害等級一覧は下記の通りです。
後遺障害の等級認定が適性か否かは、多くの経験がなければ判断することは簡単ではありません。
死亡事故の際の逸失利益は、後遺症逸失利益と同じく、交通事故に遭わなければ、本来得られるはずだった収入であり、死亡事故によって失われた収入です。もう一つは生存時に発生する生活費です。被害者が死亡事故で亡くなったことで本来生存していればかかっていた生活費が発生しなくなるのでこれが控除されます。
■交通事故による賠償金の問題
交通事故に遭いますと、相手方保険会社から賠償金についての連絡が入ります。保険会社も会社ですからできるだけ保険金は抑えようと、必要最低限の賠償額を提示してきます。
後遺障害の等級認定が適性か否かは、多くの経験がなければ判断することは簡単ではありません。後遺障害は、まずはどのような障害なのかを正確に把握しなければなりません。医師との綿密な連携によって、正しい等級認定を受ける必要があります。
後遺症の症状固定後の将来の介護費用につき、職業付添人の場合は実際に支払った介護料全額、親子や配偶者等の近親者の場合は、常時介護か随時介護か等の具体的状況に応じて金額が増減しますが、1日あたり6500円~8500円が賠償すべき損害として認められています。
交通事故の怪我で健康保険を使用して治療を行った場合に、本人負担分以外の治療費を健康保険組合等がいったん立て替えて病院に支払います。