心肥大
心肥大には、心室壁(心筋)が肥厚するものと、心室の内腔が肥大するものとがあります。また、左心室の肥大を左室肥大、右心室の肥大を右室肥大と呼びます。心室壁が肥厚する左室肥大の原因として、高血圧性心疾患、弁膜症(大動脈弁狭窄症)や肥大型心筋症などが挙げられます。一方、左心室内腔が拡大する原因としては 弁膜症(僧帽弁や大動脈弁の逆流症)、拡張型心筋症、心筋変性疾患、心筋梗塞などが挙げられます。
運動中突然死
運動中の予期しない突然死が、最近流行のマラソンやジョギングをはじめ、バスケットボール、野球、水泳、そのほかのスポーツ中に起こることは、新聞などでよく報じられているところです。その多くは、循環器系の病気の存在に気がつかずに、激しい運動に参加することによるものです。死因は、大部分が原因不明の急性心不全ですが、特発性心筋症、急性心筋梗塞、心臓弁膜症、不整脈、マルファン症候群、くも膜下出血などの循環器系の病気も原因として挙げられています。
心室細動(心停止)
心室細動は、急性心筋梗塞など重い心臓病の際に起こります。心室が規則的に拍動できず、拍出が突然になくなるために(心停止)、脳へいく血流がとだえ、生命に危険を及ぼす、きわめて重い不整脈です。脈が触れず、失神、けいれんを起こしてきます。すみやかに医師の手当てを受けないと、数分以内に死亡するので、迅速かつ適切な救命処置を要します(電気的除細動を行いますが、それまでの間は、人工呼吸と心臓マッサージを行って心臓のポンプ作用を保たねばなりません)。