狭心症
ごく短時間だけ生じる可逆性(元に戻りうる)の心筋虚血によって、一過性の胸痛発作が起こった状態を狭心症といいます。胸痛は、“狭心痛”といったほうがふさわしく、その性質は痛みというよりも、なんとも表現しにくい不快感で、絞めつけられるような、押しつぶされるような、息が詰まるような、焼けつくような、刺されるような、鈍くうずくような、しびれるような、など人によってさまざまに表現されます。時には胸部に熱感や冷感として感じられることもあります。このようないわゆる狭心痛が起こったときには、不安感やいやな予感を伴いがちです。
無症候性心筋虚血(無痛性心筋虚血)
近年、運動負荷心電図、ホルター心電図や冠動脈造影法の普及につれて、冠動脈に器質的あるいは機能的な狭窄や閉塞がありながら、狭心症のように明らかな胸痛発作を起こさない無自覚な心筋虚血発作をもつ例の少なくないことがわかってきました。このいわば自覚症状のない狭心症は無症候性(無痛性)心筋虚血と呼ばれ、最近、注目されています。
腎硬化症(高血圧性腎症)
この高血圧の影響で、腎臓に動脈硬化が生じ腎臓の機能が衰えてくる病気です。高血圧が長年にわたり持続すると、全身の小さな動脈に硬化性変化(動脈硬化症)が起こってきます。脳の動脈に硬化が生じると、血管がもろくなって破れたり、血管の内腔[ないくう]が狭くなって血液の流れが悪くなり、脳卒中が起こります。心臓を養っている血管、すなわち冠状動脈が硬化すると、血流不足で虚血状態(酸素不足)となり、狭心症や心筋梗塞[しんきんこうそく]の原因となります。